研究概要 |
c-src癌遺伝子を発現しているヒト結腸腺癌細胞COLO 320 DMをM期同調化剤としてnocodazole及び,Gl/S期同調化剤としてaphidicolinを用いて,各細胞周期に同調化後.各周期の細胞をそれぞれ分画、2次元電気泳動を行い,western immunoblot analysisにより、N-Myr-pp60^<c-src>の細胞内分布を検討した.またM期同調化後,[^3H]-Myr-COOHでラベル化,分画し,フルオログラフィーにより新規合成N-Myr-pp60^<c-src>のM期における役割を検討した.その結果、Gl,S,G2期においては,粗膜画分にのみN-Myr-pp60^<c-src>が存在し、M期では,粗膜画分においてp15.0,6.0のN-Myr-pp60^<c-src>が観察され,主にpl6.0が発現し,さらに細胞質においてpl6.0のpp60^<c-src>が検出された.またM期同調化後,[^3H]-Myr-COOHでラベル化し,得られた粗膜画分及び細胞質画分中のpp60^<c-src>を経時的に調べた結果,細胞質画分において,nocodazole release後30 minではpl7.0のpp60^<c-src>,60minではpl7.0及びpl5.0のPP60^<c-src>のMyr化が確認されたが、pl6.0のpp60^<c-src>及び,粗膜画分においてはpp60^<c-src>は検出されなかった.MALDI-TOF MS及びN-Myr-Glyクローン抗体をもちいたwestern immunoblot analysisにより,等電点の異なる3種類のN-Myr-pp60^<c-src>の内,活性型N-Myr-pp60^<c-src>が取り得る等電点を決定することができ,現在再度確認中である.
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