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1998 年度 実績報告書

癌細胞の骨転移形成過程における血管内皮細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 09771969
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 直也  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (20280951)

キーワード骨転移 / 血管内皮細胞 / 破骨細胞 / 乳癌 / メラノーマ / 骨芽細胞
研究概要

BALB/cマウスの大腿骨より樹立された骨内血管内皮細胞は骨転移性癌細胞の培養上清添加によりIL-11を産生する。このIL-11産生を促進する癌細胞由来因子を同定するために、まず既知の液性因子を用いて骨内血管内皮細胞からのIL-11産生を促進する因子のスクリーニングを行なった。その結果、IL-1αとTGF-βが骨内血管内皮細胞からのIL-11産生を促進することが明らかとなった。そこで骨転移性腫瘍であるA375Mヒトメラノーマ細胞におけるIL-1αとTGF-βのmRNA発現をRT-PCR法で検討したところ、両者とも発現していたが、ELISA法で蛋白の発現を検討したところIL-1α蛋白発現は認められたが、TGF-β蛋白の発現は認められなかった。この結果は、A375Mヒトメラノーマ細胞の培養上清による骨内血管内皮細胞からのIL-11産生が、抗IL-1α抗体では中和されるが抗TGF一β抗体では抑制されないという結果によっても確認された。よって骨転移性癌細胞は、IL-1αを分泌することにより、骨内血管内皮細胞はIL-11産生を介して骨転移巣における骨吸収並びに骨代謝に関与していることが示唆された。また骨内血管内皮細胞はIL-11レセプターを発現していたことから、分泌されたIL-11は直接破骨細胞に作用して破骨細胞の形成・分化を誘導しているのではなく、オートクライン的に骨内血管内皮細胞に作用して何らかの破骨細胞形成誘導因子の産生を促進している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 鹿毛 久身江: "Basic fibroblast growth factor induces cyclooxygenase-2 expression in endothelial cells derived from bone." Biochem.Biopys.Res.Commun.in press. (1999)

  • [文献書誌] 中川 匠: "Interleukin-1α induces cyclooxygenase-2 expression in bone-derived endohthelial cells." J.Cell.Physiol.in press. (1999)

  • [文献書誌] 張 永克: "Caspase-mediated cleavage of p21^<Waf1/Cip1> converts cancer cells from growth arrest to undergoing apoptosis." Oncogene. in press. (1999)

  • [文献書誌] 藤田 直也: "Acceleration of apoptotic cell death after the cleavage of Bcl-X_L protein by caspase-3-like proteases." Oncogene. 17. 1295-1304 (1998)

  • [文献書誌] 森永 芳弘: "Interleukin-11 stimulates bone resorption in neonatal murine calvaria through a prostaglandin synthesis-dependent mechanism." J.Cell.Physiol.175. 247-254 (1998)

  • [文献書誌] 張 永克: "Production of interleukin-11 in bone-derived endothelial cells and its role in the formation of osteolytic bone metastasis." Oncogene. 16. 693-703 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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