• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

ヒト型人工抗体を用いた細胞特異的生体内遺伝子導入法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09771994
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

高柳 淳  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)

キーワード遺伝子治療 / 扁平上皮癌 / EGFレセプター / 抗体 / EGFR / 一本鎖抗体 / イムノジーン / 遺伝子導入
研究概要

当研究室では抗体の細胞特異性を利用した新しい遺伝子運搬体「抗体/DNA複合体(イムノジーン)」を独自に開発し、個体レベルでの扁平上皮癌の遺伝子治療法を目指している。臨床での有効性・安全性を高めるため、イムノジーンを人工抗体で作製することが本研究の目的である。改良の必要はあるが、第一段階の目的は達成できた。B4G7ハイブリドーマから抗体Fv断片のcDNAをクローニングし、ヒトEGFレセプターに対する人工一本鎖抗体遺伝子を作製した。さらにDNA結合性を付加するためにオリゴリジンとの融合遺伝子(scHBFL遺伝子)を作成した。大腸菌発現系では、scHBFLを抗原認識活性のある状態で回収できなかったため、いくつかの改変を加え、メタノール資化酵母発現系を用いて分泌型として発現させた。遺伝子導入は精製したscHBFL単独では観察されなかったが、適量のポリリジンと混合したときに、一本鎖抗体特異的に遺伝子導入することが可能であった。またC端にシステイン[Lysx4-Cys-Lysx4]を付加した一本鎖抗体scHBFLCLを作製したが、システイン残基のSH基は、修飾用官能基として反応しなかった。またリジンを付加しない一本鎖抗体scHBFに比較しscHBFLの分泌効率は予想外に悪いこと、scHBFLCLはscHBFと同等の収率が得られたため、Lys4残基までなら分泌効率に影響がほとんどないことが判明した。本研究で、人工抗体による組換えイムノジーン法の臨床応用に向けた基盤ができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Chen J.et al.: "Receptor-Mediated Gene Delivery Using Fab Fragments of Anti-Epidermal Growth Factor Receptor Antibodies:Improved Immunogene Approach." Cancer Gene Therapy. (印刷中).

  • [文献書誌] 高柳淳ら: "モノクローナル抗体を用いた細胞内遺伝子導入法(イムノジーン法)" 日本臨床. 56・3. 179-184 (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi