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1998 年度 実績報告書

神経筋疾患遺伝子由来トリプレットリピートのクロマチン構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09772002
研究機関明星大学

研究代表者

清水 光弘  明星大学, 理工学部, 助教授 (80231364)

キーワード神経筋疾患 / トリプレットリピート / クロマチン / ヌクレオソーム / DNA構造 / ゲノム / 遺伝子発現制御 / 出芽酵母
研究概要

近年,ヒト遺伝病の発症の分子機構の一つとして,トリプレットリピートの伸長という動的突然変異が見いだされた.ハンチントン病などの約10種の神経筋疾患は,(CAG)_n,(CCG)_n,(CTG)_n,(GAA)_nの伸長によって,引き起こされることがわかった.現在,これらの疾患の発症のメカニズムを解明するために,リピートの伸長機構を明らかにすることが,緊急の課題となっでいる.本研究は,真核生物ゲノムにおけるトリプレットリピートのクロマチン構造の特徴とその動態を明らかにして,染色体上でのリピートの伸長機構を解明することを目標としている.
最近,我々は,ポジショニングしたヌクレオソームを有する出芽酵母ミニ染色体をベクターとして、in vivoにおいて特殊なDNA構造がヌクレオソーム形成に及ぼす効果を評価できる実験系を開発した.この系を用いて,昨年度は,筋緊張性ジストロフィーと脆弱X症候群で見られるCTGリピートとCCGリピートを出芽酵母のミニ染色体にクローニングし,そのクロマチン構造を解析するための実験系を確立した.その結果,ヌクレオソームフリー領域に(CTG)_<12>を挿入すると,その領域近傍に新たにヌクレオソームが形成されるが,(CGG)_<12>をヌクレオソームの中央に挿入すると,そのポジショニングは不安定化されることがわかった.今年度は,さまざまな長さの(CTG)_nと(CCG)_n(n=24-80)をクローニングし,それらのクロマチン構造を解析している.これまでの結果では,in vivoにおいて(CTG)_nはヌクレオソーム形成を安定化し,(CCG)_nは不安定化するという効果が,リピートの長さに依存して強くなる傾向が見られた.以上の結果から,トリプレットリピートに依存したクロマチン構造の形成が,疾患遺伝子の転写や染色体の安定性に関与することが考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mitsuhiro Shimizu et al.,: "Genomic footprinting of the yeast zinc finger protein Rme1p and its roles in repression of the meiotic activator IME1." Nucleic Acids Res.26. 2319-2336 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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