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1997 年度 実績報告書

膵臓のアミラーゼ分泌におけるコレシストキニンの細胞内情報伝達系の制御機構研究

研究課題

研究課題/領域番号 09772020
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

増田 正雄  (財)東京都老人総合研究所, 臨床生理部門, 研究助手 (20260284)

キーワードアミラーゼ分泌 / CCK-A receptor / GTP結合蛋白質
研究概要

膵臓のアミラーゼ分泌におけるコレシストキニン(CCK)の細胞内情報伝達系制御機構の解明を目的とし、先天的にCCK-A receptor遺伝子を欠損するOLETFラットとそのコントロールであるLETOラットの膵腺房を用いて種々の刺激に対するアミラーゼ分泌反応を比較した。cAMPカスケードを介してアミラーゼ分泌を促進するセクレチン、vasoactive intestinal polypeptideに対する作用は両ラット間に違いは認められず、それぞれのペプチドとホスホジエステラーゼ阻害薬3-isobutyl-1-methylxanthineとを同時に用いた実験においても違いは認められなかった。一方、イノシトールリン脂質カスケードを介してアミラーゼ分泌を促進するアセチルコリンのアゴニスト(carbachol)、neuromedin Cに対してはOLETFラットの方が強い反応性を示した。また、カルシウムイオノフォアであるA23187、アデニレートシクラーゼに直接作用するforskolin、 cAMPの非水解性アナログであるdibutyryl cAMPにおいては違いは認められなかったが、GTP結合蛋白質活性化作用を有するNaFに対するアミラーゼ分泌能はOLETFラットの方が有意に強かった。
さらに詳細な検討を行うため、膵腺房細胞の細胞膜を調製し、種々の刺激に対するcAMP産生能を調べた。セクレチン、vasoactive intestinal polypeptide、forskolinに対する作用は両ラット間で違いは認められなかったが、NaF、GTPの非水解性アナログである5^1-guanylyimidodiphosphateに対する作用はOLETFラットの方が有意に強かった。また、carbachol、neuromedin C、NaFを用いて膵腺房細胞内のCa濃度変化を測定したが、両ラット間で違いは認められなかった。
以上の結果から両ラットの膵腺房細胞のGTP結合蛋白質に量的違いの存在すること、ジアシルグリセロールを介する経路にも機能的な違いの存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kyoko Miyasaka: "Regulation of cholecystokinin (CCK)release and transcription in a rat without gene expression of CCK-A receptor." Digestion. 58. 104-110 (1997)

  • [文献書誌] Kyoko Miyasaka: "Involvement of cholinergic processes in cholecystokininn (CCK)release by luminal oleic acid." J.Auton.Nev.Syst.63. 179-182 (1997)

  • [文献書誌] Kyoko Miyasaka: "Retardation of pancreatic regeneration after partial pancreatectomy in a strain of rats without CCK-A receptor gene expression." Pancreas. 14. 391-399 (1997)

  • [文献書誌] Masao Masuda: "Inhibitory effect of central dopamine on basal pancreatic secretion." Am.J.Physiol.274. G29-G34 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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