研究概要 |
今年度は、教育用に適切な標本の収集をはじめると同時に、超高精細画像システム(SHDシステム)を用いて撮像を開始し、一部典型例や稀少例を用いてホームページを試作し、提示を試みた。他方、NTT,TAO(通信放送機構),BBCC(新世代通信網実験協議会)の助力を得てSHDシステムの画質評価とテレパソロジーへの応用も試みた。 1.標本の収集・撮像 医学部学生教育用に用いられてきたHE染色標本から適切な標本を選別すると同時に、大学病院病理部や関連施設で経験された典型例、稀少例を選別し、HE染色標本の再作製を行った。標本1枚あたり、4-5画像(容量96-120MByte)を標準としHE染色標本の撮像をはじめるとともに、可能な症例では、放射線画像も取り込んだ。取り込んだ画像は購入したコンピュータを用い、必要に応じて加工した。また、データベースソフトを用いて、年齢、性別、発生部位、診断名、画像ファイル名などを症例ごとに記録した。画像は現在およそ10GByte蓄積されている。 2.ホームページの試作 教室のサーバーの一部を借用し、ホームページ(http://www.pathol.kpu-m.ac.jp/konishi/shdl.html)を作成した。ホームページには稀少例、典型例のJPEG圧縮画像とSHD画像を同時に提示した。 3.画質評価とテレパソロジーへの応用 教育・診断に必要な画質はどうあるべきかを、SHDシステムにて撮像された組織像のモニター画像を用いて検討し、SHD画像の画質の高さを確認した。また、テレパソロジーへの応用を試み、運用面での利点・欠点の整理を行った。
|