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1998 年度 実績報告書

小腸上皮細胞に存在する有機アニオン排出機構の実証と分子クローニング

研究課題

研究課題/領域番号 09772062
研究機関京都薬科大学

研究代表者

岡 卓也 (藤田 卓也)  京都薬科大学, 薬学部, 講師 (00247785)

キーワードcalcein / 有機アニオン / Caco-2細胞 / P-glycoprotein
研究概要

昨年度の研究に引き続き、有機アニオン性化合物calceinおよびcalcein-AMをプローブとして用い、Caco-2単層細胞における透過性を検討した。Calcein-AMは非常にユニークな特性を持つ化合物であり、そのままの形では非蛍光性でかつP-glycoprotein(MDR1)の基質として認識されるが、加水分解を受けcalceinに変換されると非常に強い蛍光を発しかつmultidrug resistance associated protein (MRP)-like protein(MLP)の基質として認識される。この性質を利用し、本研究ではcalcein-AMをCaco-2に取り込ませた後の蛍光強度を追跡することによりCaco-2のMLP活性を検討した。その結果、Caco-2細胞においてもラット消化管上皮と同様比較的強いMLP由来の輸送活性が認められ、これはprobenecidにより阻害された。また、この輸送活性はcytochrome P-450代謝酵素の誘導剤であるphenobarbitalにより制御されている可能性も示唆され、現在この機構に関しても分子生物学的手法を用いて検討中である。
一方、P-glycoprotein(P-gp)の輸送活性が非イオン性界面活性剤Cremophor ELにより阻害される機構についても検討課題とした。その結果、P-gpのCremophor ELによる阻害は非競合的であることが明らかになるとともに、消化管に存在しているoligopeptide transporter(PepT1)やNa^+-dependent glucose transporter(SGLT1)の輸送活性には影響を与えていないことも明らかとなった。今後、Cremophor ELが他の1次性能動輸送担体に影響を及ぼしているか否かに関しても検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Fujita & A.Yamamoto: "Efflux mechaism of organic anions mediated by active....." Proc.Int.Symp.Controlled Release Bioact.Mater.25. 675-676 (1998)

  • [文献書誌] T.Fujita et al.: "Permeability characteristics of acyl-tetragastrins across the ..." Pharmaceut.Res.15. 1387-1392 (1998)

  • [文献書誌] H.Tozaki, T.Fujita et al.: "Colon specific delivery of R68070,a new thromboxane......" Life Sci.64. 1155-1162 (1999)

  • [文献書誌] Ying-shu Quan, T.Fujita et al.: "Transport kinetics of leucine-enkephalin across Caco-2......" Life Sci.64. 1243-1252 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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