1.今年度の成果 研究の出発点である健常小児の抗PCNA抗体類似のパターンを示した検体が、研究の中途にて量の不足を生じてきたため、さらに抗核抗体検出用のHEp2細胞を用いた間接蛍光抗体法にて、スクリーニングを重ねて、さちにいくつかの小児患者由来の検体を見いだした。この検討過程において、さらに、なんら症状もないのにspeckled型で非常な高力価を示す検体や、granular型で同様に高力価を示すものなど、種々の興味深いパターンを示す検体が見いだされた。これらはいずれも既存の特異抗原検出系ELISA等ではいずれも陰性を示すものであった。 2.今後の研究計画 抗PCNA抗体類似のパターンを示す検体をさらにスクリーニングするとともに、見いだされた検体についてRTE、HEp2細胞抽出液を用いたSDS-PAGE後、Western blotを行い、対応抗原の分子量を解析し、以前の我々のデータとともに集積して解析する予定である。さらに抗原をDNase、RNase、protease等を作用させて抗体と反応させ、その性状を明らかにすることも行い、以前のデータとともに解析する。抗原がかなり、類似しているなら、この抗原を同定すべくMOLT-4のλgtllcDNAライブラリ、あるいは他のライブラリについて上記血清および125I-1abeled proteinAをもちいてスクリーニングを行う予定。スクリーニングされたcDNAを市販plasmid(pkk233)内にsubcloningし、E.coliにて増幅させ、dideoxy法にて塩基配列を決定する。既知のデータベースとの比較検討を行うと同時に、これをライブラリのre-screening用として用い、抗原同定を進める。
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