本研究の目的は、1)患者のQOLと満足度の自記式質問紙と患者記録の調査からの2つの方法による実態調査、2)精神病院の設置主体や規模等の違いが患者のQOLと満足度にどのように関連しているか実態を明らかにすることである。今年度はまず、東京都内の公立精神病院をフィールドにして急性期精神分裂病の入院患者を対象にし、そのQOLと満足度の調査を実施した。同時に精神科看護機能評価マニュアルを中心に看護の評価基準について検討を行った。国内の他の施設については研究依頼交渉中である。また、患者記録による急性期治療の妥当性についての検討を行っており、その結果を集計中である。今後は患者のQOLと満足度との関連を比較検討する。米国でのデータは既に収集済みであり、今後はさらに東京都のデータと米国の調査データとの比較をおこなう。結果について、ケアの質の要素として、(1)技術的要素、(2)人間関係的要素、(3)アメニティ要素の3側面から検討を加え、患者の満足度との関連について考察する予定である。さらに精神科看護の質の向上に対するケア技術。看護管理のモデルを検討する。患者のQOLとケアの満足度に関する調査用紙については、BASIS32等を用いている。自記式調査用紙についてはSF36を用いている。
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