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1997 年度 実績報告書

糖尿病性合併症を有する患者のQOLに関する研究-糖尿病性腎症保存療法期にある患者の自己管理に焦点を当てて-

研究課題

研究課題/領域番号 09772095
研究機関大阪大学

研究代表者

山本 裕子  大阪大学, 医学部, 助手 (40263272)

キーワード糖尿病性腎症 / 食事療法 / QOL
研究概要

今年度は半構成質問紙を作成し面接により聞き取り調査を行う計画であったが,より研究目的にそくした質問項目を設定するために,1.文献概観および2.一事例を対象に面接と参加観察により食事療法の実施状況や実施に関わる要因などのデータ収集を行った。
1.文献概観からは,以下の様な知見を得た。(1)糖尿病性腎症患者の看護については,透析を受ける患者を中心に研究が進められており,保存療法期に着目した報告はほとんどみられない。(2)糖尿病性腎症の患者に対しては、腎症であることを知らせていく取り組みが必要であるが,腎症であることを認識しても自己管理に変化をもたらすとは限らない。(3)糖尿病性腎症患者は自己概念が低下し,自己管理に前向きに取り組めないでいる患者が多い。(4)蛋白質制限食は腎症の進展を遅らせるために有効であるが,実践は困難であるため栄養士や医療者などの専門家の支援が必要である。
2.入院中の患者を対象に面接および参加観察により食事療法の実施状況や実施に関わる要因などのデータ収集を行った。その結果(1)食事療法の必要性はわかっているが,継続の自信がもてない。また自営業のため仕事上の付き合いによる飲酒の機会が増えてしまうので食事療法が実行できない状況にある。(2)透析導入の説明に対しては,ショックは感じているものの,実際に透析の現場を見学する機会がなかったために現実感が乏しい。(3)腎症以外にも神経障害,狭心症,脳梗塞といった合併症を程度の差はあるものの有しており,医師・看護婦から繰り返し自己管理の必要性を説明され,医療者との関係は悪化し自己防衛も強い。(4)上記(1)〜(3)より患者は身体的・心理的・社会的制約を受け著しくQOLを障害されていると思われた。従って,患者のできる自己管理を患者とともに見出し実行することで患者に自信がつき,それがQOLの改善の一助になるのではないかと考えられた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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