「ボディ・イメージの障害」のメカニズムとその看護介入に関する基礎的研究 -疾病に起因する身体的変化に伴って起こるボディ・イメージの変化とその障害 初年度は、疾病に起因する身体的変化に伴って起こる「ボディ・イメージの変化」と、自然なボディ・イメージ変化とは異なる「ボディ・イメージの障害」という現象を明らかにすることを目的として、文献検討を終了すると同時に、予定のインタビュー調査を開始している。 現在までに、ボディ・イメージの障害に陥りやすいとされる疾患によって入院中の8名の患者を対象にインタビューを行い、その逐語訳をもとに質的分析を行った。 文献検討、およびまだ調査継続中ではあるがこれまでの調査結果をまとめると、以下のことが示唆された。 1)疾病による身体的変化に伴ってボディ・イメージが変化するとき患者にはさまざまな心理的問題が起こりうるが、看護者はそれらの心理的問題をもっと明確に鑑別する必要がある。 2)疾病によって身体に好ましくない変化が起こるとき、自然の経過の中で現実身体との擦り合わせが少しづつ行われボディ・イメージを修正することができていく場合と、現実の身体に合わせてボディ・イメージを修正することが出来ずに「ボディイメージの障害」にまでいたる場合がある。 3)ボディ・イメージの変化と障害に対する看護者の介入はまだまだ十分に行われているとはいえない。
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