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1997 年度 実績報告書

精神障害者の事例化過程における社会的関係性の変化とその影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09772118
研究機関(財)東京都精神医学総合研究所

研究代表者

山村 礎  (財)東京都精神医学総合研究所, 医療看護部門, 研究員 (00260323)

キーワード精神看護 / 地域精神保健 / 保健所 / 公衆衛生 / 精神障害者
研究概要

一般に地域に生活する人にとって、周囲の人々との対人関係は存在し、かつこれらは多少の「いわゆる問題」を内包しつつもある平衡状態にあって多くは顕在化することが無く過程している。そのような平衡状態をを保つ比較的少数人数からなる系において、これらの均衡が崩れ第三者の介入を必要とするようになった、すなわち顕在化した、状態が問題として保健所へと持ち込まれるという枠組みが本研究の考え方の基礎となっている。そして、このような不均衡を来した地域における系は少人数からなっており、これらの中に精神障害者が含まれており保健所へと何らかの問題の解決が求められる場合に精神保健の相談となる、という大枠での定義に従って、保健所精神保健活動事例をデータベースともとに見直した。従って、保健所へと持ち込まれる相談時には不均衡を来した系における自己解決能力の閾値を超えており、相談後には一般的に系は事前の状態と質的に異なっている場合をも含めて均衡状態へと戻っていると考えた。ここにおいて重要な点は精神障害者自身への直接的サービスないしは処遇が、不均衡状態の改善とどの様な関係にあるかである。今年度の研究の範囲内では、保健婦の活動の力点が主として系の不均衡の主たる原因となる対人関係上の問題にあること、また、この対人関係上の問題の主たる原因は必ずしも精神症状に由来するものではなく両者の相対的な力動によるものであること、及び少なくとも対人関係上の問題は精神障害者にとっても家族を含む地域の人々の精神衛生状態にとっても好ましくない状況をもたらす事が確認できた。また、精神障害者側における援助の結果として、5段階評価法で生活の技能をみたところ、有意に好転している事が明らかとなった。次年度はこれらの関連を探ることを主目的とし、地域のいわゆる問題解決と精神障害者の処遇の関連及びそのあり方について明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 山村礎ほか: "精神障害者社会復帰促進のための地域ネットワーク事業(その2)-保健所精神保健活動事例の統計的検討-" 東京都衛生局学会誌. 98. 342-343 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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