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1998 年度 実績報告書

スフィンゴ脂質を介するシグナル伝達に対する外国性脂肪酸栄養の影響

研究課題

研究課題/領域番号 09780008
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

岸田 恵津  兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70214773)

キーワードセラミド / スフィンゴシン / ドコサヘキサエン酸 / アポトーシス / ホスホリパーゼA2
研究概要

1. 新規セラミド定量法として、セラミドのアルコール基と蛍光試薬であるアントロイルシアニドを反応させて蛍光ラベルし、逆相HPLCで分離・定量するポストカラムHPLC法を開発した。本法の検出限界はサブピコモルレベルである。Cl7-セラミドを内部標準物質として、本法により培養細胞U937中の遊離セラミドを定量すると、スフィンゴミエリンに比し、より長鎖の脂肪酸をもつセラミドが多いことがわかった。さらに細胞10^6あたり180ピコモルという値が得られた。
2. HL60細胞にアラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)等を加えて培養し、アポトーシス感受性を調べたところ、いずれの脂肪酸の添加も膜透過型セラミド誘導のアポトーシスには影響を与えなかったが、DHAの添加によりスフィンゴシンに対する感受性は減少していた。作用機構に関しては、リン脂質中のDHAは細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2)阻害効果を持つことが示されており、またスフィンゴシン誘導のアポトーシスはcPLA2特異的阻害剤で抑制されたことから、DHAによるスフィンゴシン誘導アポトーシスの抑制効果はcPLA2阻害作用による可能性が示唆された。
3. U937細胞をアラキドン酸、エイコサベンタエン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)等を加えて培養し、腫瘍壊死因子(TNF)によるアポトーシス誘導性を調べたところ、リン脂質にDHAを多く取り込んだDHA添加細胞ではアポトーシスが抑制されていた。このような効果はアラキドン酸、エイコサペンタエン酸添加時では見られず、DHAに特異的な効果であることがわかった。DHAの作用は上記2.と同様に、cPLA2阻害活性に基づくものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Etsu KiSHIDA et al.: "Distinctive inhibitory octivity of docosahexaenoic acid against sphingosine-induced apoptosis" Biochim.Biophys.Acta. 1391. 401-408 (1998)

  • [文献書誌] Midori Yano et al.: "Quantitative analysis of ceramide molecular species by high performance liquid chromatography" J.Lipid Research. 39. 2091-2098 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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