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1997 年度 実績報告書

ゲル状食品の離漿現象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780022
研究機関岩手県立盛岡短期大学

研究代表者

長坂 慶子  岩手県立盛岡短期大学, その他部局等, 助手 (60207991)

キーワード離漿 / 平衡離漿量 / 離漿速度定数 / アガロースゲル / ヨ-グルト / 貯蔵弾性率 / 初期弾性率 / 破断エネルギー
研究概要

ゲル状食品のなかには,製造後時間が経つにつれて離漿が見られるものがあるが,その機構については十分に明らかにされてはいない.離漿の機構を明らかにするために,各ゲルの離漿の速度論的解析,離漿前および離漿後の各ゲルの物性の変化の測定および微細構造の観察を行った.
多糖類ゲルとしてアガロースゲル,動物性タンパク質ゲルとしてヨ-グルトを調製して,離漿の経時的変化を測定した.アガロースゲルのアガロース濃度,ヨ-グルトのタンパク質凝固補助剤(トランスグルタミナーゼ:TG)の添加量に関係なく,これらのゲルの離漿は,dM/dt=k(1-M)^2(ここで,M=m/m_∞,m_∞:平衡離漿量,m:保持時間tにおける離漿量,k:離漿速度定数)の式で表すことができる.離漿速度は,アガロースゲルではアガロース濃度が高くなると速くなるが,ヨ-グルトではTG添加濃度が高くなると遅くなった.
アガロースゲルは離漿にともない貯蔵弾性率,初期弾性率,破断応力,破断エネルギーの値は減少した.一方,ヨ-グルトでは,貯蔵弾性率,初期弾性率,破断エネルギーの値は増加したが,破断応力の値は減少した.
構造観察では,アガロースゲルは離漿すると,網目構造を構成しているアガロース分子が絡み合って不均一な網目となり,大きな空間を作っていた.この不均一な網目構造が離漿にともなって弾性率を減少させていると考えられる.ヨ-グルトは離漿すると,均一な空隙で結合していたタンパク質粒子がこの空隙に落ち込み,コンパクトな構造をつくっていた.ヨ-グルトは離漿にともない空隙のない詰まった構造になって弾性率が増加すると考えられる.

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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