身体運動(「遊び」)が幼児の相互交流の形成に及ぼす影響を明らかにするため、金沢市内の保育園児2歳〜5歳560名を対象に現場での2種類の遊び(A:集団での大筋活動的遊び、B:個人での小筋活動的遊び)における歩数と相互交流との関係について検討した。遊びAでは、遊びBと比べて歩数が多く、この傾向は男女に共通して認められた。また、女子は年長児になるほど相互交流の度合いが増加し、男子は年齢と相互交流の間に特定の傾向は認められなかった。遊びBにおいては、男女とも年長児になるほど歩数は減少し、相互交流は増加する傾向が認められた。歩数がより多かった遊びAでは、遊びBと比べて特に2歳児においてその相互交流の度合いが多い値を示した。 以上の結果に加え、より詳細に検討するため、平成9年5月〜11月、金沢市内13保育園児2歳〜5歳児963名を対象に現場での遊びを4種類(A:身体を使ってみんなで行う身体運動(「遊び」)、B:身体を使って個人で行う身体運動(「遊び」)、C:身体をあまり使わずにみんなで行う身体運動(「遊び」)、D:身体をあまり使わずに個人で行う身体運動(「遊び」))に分け、それらの遊びにおける園児の総消費量、運動量および歩数(Kenz製カロリーカウンターSelect2を使用)と相互交流の度合い(観察法によるソシオグラムを用いた)について測定した。加えて、各園児の日常の運動量、友人関係、家族構成などの生活環境についてもアンケートにより調査した。なおこれらのデータについては現在分析中であるが、平成10年4月より行う調査、測定データと比較、検討する。
|