研究概要 |
本研究費補助金の採用決定が,10月下旬であったため,実験開始が11月となり,当初予定していた骨量,筋量および筋力の測定を行う実験うち,骨量の実験を行うことができなかった。しかし,筋量と筋力に関する実験は,順調で本研究の対象者である閉経期以降の女性約50名を対象に,また,比較群として広島工業大学と広島女子大学の女子学生約100名を対象に実施した。今年度収集されたデータで特徴的な点は,85歳以上の超高齢者のデータが十数名含まれていまことであり,超高齢者における筋量の加齢に伴う減少が明らかにされた。具体的に述べると筋量は,50,60歳代まではほとんど減少しないが60歳を越えると急激な減少が始まり,特に80歳を越えると指数関数的に減少していくことがわかった。急激な減少がみられた年齢は,被験者が閉経期を迎えた年齢とほぼ一致しており,いくつかの先行研究を支持するような研究結果であった。また,大腿の筋を伸筋群・屈筋群に分け,筋量の減少を詳細に検討した結果,最初に減少がみられたのは,大腿伸筋群であった。また,屈筋群は伸筋群よりも約10年ほど遅れることがわかった。筋力の低下も検討をしたが,筋量の減少と一致する結果であった。 来年度は,今年度実施できなかった骨量の測定を優先して行い,さらにできる限り被験者数を増やすつもりである。そして,本研究の最終目的である中高年例者(閉経期以降の人に特に着目して)の骨量,筋量および筋力の三者の関係について検討を行い,研究結果をまとめる予定である。
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