研究概要 |
平成9年度の調査では、インドにおける灌漑に関する法制度と土地利用・土地所有にみる灌漑導入の影響の2点について検討した。 1。インドにおける灌漑行政は,州政府の管轄であり、その管理の基礎となる法制度の整備も州単位で行われている。事例としてマディヤ・プラデ-シュ州における関連する現行法は、10章100条から成るM.P.Irrigation Act.1931ならびに詳細を規定したMadhya Pradesh Irrigation Rules 1974である。そのうち本研究の課題対象である条項を中心に翻訳し、分析を行った。その結果、法的に規定された灌漑パンチャヤ-トとワ-ラバンディの設定条件,その権限・運用方法を明らかにした。 2。事例村であるマディヤ・ブラデ-シュ州ディカトプラ村の1959年ならびに1989年の土地台帳(カスラ(Kasura))のデータをコンピュータに入力し,灌漑の導入(1971年)前後で土地利用と土地所有構造がどのように変化したのかを,統計的に把握できるようにした。またそれぞれの年次の地籍図のデータもコンピュータに入力し,先の土地台帳データと地籍図の空間データをリンクさせ,GIS化を図り,空間分析も行えるようにした。 なおコンピュータ入力したディカトプラ村のデータの考察の結果は、日本地理学会春季学術大会土地利用・環境研究グループ例会(3月29日:国士館大学)において,「インドにおける土地台帳と地籍図」と題して,発表する。
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