研究概要 |
本研究の目的は、MS-Windows3.1/95/NT上で動作可能な聴覚障害児用発話訓練支援ソフトウェアを開発し、CD-ROMメディア(無償)で関係教育機関に配布することである。この1年間の研究期間内に以下の項目を達成できた。 ・ゲーム的要素を積極的に取り入れて、児童が訓練しているということを特別に意識しないように考慮する。 ・高精度な声道断面図の実時間表示ソフトウェアの開発…Fantによる声道断面積モデルを用いて、訓練者の舌や顎の動きを実時間で確認できるようになった。 ・子音データベースの収集…聴覚障害児の日本語子音/k,p,t/,/b,d,g/,/n,m/,/s,h,z/,/y,w/,/r/,/n/と拗音(/gya/など)の標準音声データベースを作成した。 ・子音訓練ソフトウェアの開発…DPマッチング、隠れマルコフモデル及びニューラルネットワークを用いて子音を認識するソフトウェアを開発している。現在、/ba,da,ga/のように同じ後続母音に対する有声破裂子音のトレーニングウェアができており、聾学校等で評価していただいている。 ・単語データベースの収集…日常生活で良く用いる簡単な単語(2〜5音節程度)に関する標準データベースを作成した。 ・単語訓練ソフトウェアの開発…DPマッチングを用いて単語訓練する迷路ソフトウェアを開発した。ゲーム的要素を積極的に取り入れて、児童が訓練しているということを特別に意識しないように考慮している。 ・指導者向け音声切り出し及び音声分析ソフトウェアの開発…開発したソフトウェアの機能としては、波形表示,ピッチ表示,パワー表示,ソナグラムや短時間スペクトルの表示等がある。 ・ソフトウェアの配布と評価…CD-ROMにて、開発した発話訓練ソフトウェアを聾学校4校(その内愛知県下3校)とその関係機関(個人の家庭も含む)約30に配布して評価していただいている。
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