コンピュータシステムの高性能化やソフトウェア技術の向上などに伴い、CAI(Computer Assisted Instruction)が普及し、その一方で、マウス等の操作を中心としたGUI(Graphical User Interface)環境が急速に流行している。また、急速なインターネットのブーム現象も、グラフィカルに情報を収集できるWWW(World Wide Web)の分かり易さや操作性によるところが大きい。しかし、健常者にとって、分かり易く操作し易いGUIは、多くの障害児者にとっては、むしろ使いにくくなることが多い。 昨年度は、研究代表者の提唱する“オブジェクト指向ユーザインタフェース"を、インターネットアクセスツールに適用する試みを行った。本年度は、アクセスツールの操作性・視認性の向上を行った。 主に上肢に運動機能障害をもつ肢体不自由児や、軽度の視覚障害児を対象に、パーソナルコンピュータ起動から、インターネットによるWWWブラウザの操作、メールのやり取り、学習ソフトウェアやワープロソフトウェアの起動や実行などを、標準的なキーボードやマウスだけでなく、1ないし5個程度の代替機器(スイッチなど)で行うことのできるシステムが完成した。
|