平成10年度より、従来のDOS版CALISをウィンドウズ版のWINCALISに移植する作業が本格化し、テキストファイルと音声ファイルの編集に関するノウハウがほぼ完成された。CD-ROM版の辞書や百科事典の利用等環境整備も進み、1学年では後学期より授業時間におけるWINCALISの利用を開始した。一方、総合英語用検定教科書に準拠した教材は、テキスト、音声、テユートリアル、文法練習問題等のファイルが整備されたにとどまり、授業では読解用のテキストファイルと発音練習用の音声ファイルのみの利用となった。2学年では、1年半にわたるDOS版による英作文演習のまとめとして、バイリンガル版マルチメディアホームページを作成演習を行い、コンテンツのひとつとして200語程度の自由英作文を行った。インターネットにより題材収集が飛躍的に簡便となったこと、マルチメディアファイルが自由に挿入できること、他の学生の作品を閲覧できる環境を整えたこと、そして日本語版が実質的な下書きとなったこと等が刺激となり、「何について、どのような構成で書くか」という文章を書く際の最初の躓きは解決できた。90%以上の学生が、ホームページ作成が楽しかったと回答したのに対し、英語版の作成が楽しかったと解答した学生は、60%弱にとどまり、和文を英文に再構築する困難さを訴える学生が多かった。また、実際には「単語の置き換え」から先に進めない者も見られはり基礎的事項の定着を図ることを主眼とした教材デザインの必要性が明らかになった。尚、上記すべての教材がネットーワークを通じて全学生に解放されており、施設利用状況査やCALISのTRY数の追跡から、オーサリングシステムCALISを使った自作CAI教材は、本校の学生の自主的な学習習慣の形成には非常に効果的であると言える。
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