研究概要 |
本研究の目的は,初等教育における情報教育と表現教育を双方の立場から検討し,総合的・教科横断的な学習内容としての両者の可能性を明らかにすることにある。そのために,まず平成8年度科学研究費補助奨励研究(A)「小学校教育における表現の教育を対象とした総合的研究」の成果にもとづいて,小学校における表現の教育内容を整理した。つぎに,情報教育について資料の収集を行い,表現の教育におけるメディアの在り方を検討した。表現教育と情報教育を取り入れた教育実践の資料を得るために,山口大学附属山口小学校及び同山口中学校を取材し,主に造形教育の一環として行われた情報機器の活用についての知見を得た。ここまでの成果は,「総合的な表現教育としての情報教育-小学校教育における教科横断的な教育の観点から」(『子どもとメディア』,東京書籍,1998,pp181-202)として発表した。 また,東南アジア,特にシンガポールにおける情報教育については,同国教育部のLim Fong Linを通じてその進行状況などを確認し,同時に情報収集を行った。シンガポールにおける情報教育と表現教育(主として美術教育)に関する研究成果については,「シンガポールの情報教育プロジェクトと美術教育-初等教育を中心にして」(『大学美術教育学会誌』第30号,1998,pp27-36)などとして発表した。
|