本年度の研究は、平成10年度の実践的・実験的研究に向けての理論的・基盤的研究を中心に行なった。具体的には、以下の三つの研究を行なった。 第一に、クロスカリキュラムの理論的基盤となる、イギリスのナショナルカリキュラムの分析・検討から、日本における総合的・横断的教科の在り方について位置づけを行ない、その方向性について考察を行なった。この成果は、平成9年度に論文としてまとめた。併せて、環境教育の動向について、環境経済学、環境倫理学、自然科学的な環境教育等の文献を集め、さらに、過去の関連する研究論文から、環境教育について収集、検討を行なった。 第二に、平成10年度の実践的・実験的研究に向けて、すでに総合的な環境教育の実践を積み重ねている公立小学校の協力を得て、従来の総合的環境教育の年間指導計画の分析を行なった。この結果は、平成10年度の実践的・実験的研究の予備的な研究として位置付けられる。 第三に、環境教育に関連するビデオ、CD-ROM、諸教具の収集と分析を行なった。当初より、環境教育に関するメディアの使用に関しても研究の一端として位置付けていたが、本年度は、CD-ROMを開発・企画した企業や、実際に使用している学校現場の聞き取り調査を行なって、平成10年度の実践的・実験的研究に向けての検討を行なった。
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