前年度は、日本におけるクロスカリキュラム導入の可能性について論じた論文を発表し、また、盛岡市内の公立小学校の協力を得て、実際にクロスカリキュラムに基づいた環境教育の年間指導計画の作成を行った。 この成果を踏まえ、平成10年度は、授業実践・関連教材の開発にまで踏み込んだ研究を行った。具体的には、岩手大学附属小学校で5年生を対象として1回、6年生を対象として2回の実験授業を、北上市の公立小学校で1回の実験授業を行い、さらに盛岡市内、花巻市内の公立小学校の協力を得て、または岩手大学教育学部を会場に研究授業を行った。 また、指導要領に内容に基づいた前年度の年間指導計画では、総合的学習としての環境教育独自の単元構成が得られないため、ホリスティックな世界観に基づく環境教育理論的に考察し、「国家社会」 「世界システム」「個人の自我」「人間性」の四つの側面から環境問題を捉えるの内容構成を明らかにした。 これらの成果に基づき、本年度は、学会での口頭発表1回と、非学会誌への2度の執筆を行った。現在、学会での口頭発表をまとめた、ホリスティックな世界観に基づく環境教育の内容構成に関しての学会論文を準備している。
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