1 ・昨年度の試用実験などの結果から、話速変換の日本語教育における有功利用の条件として (1)目標言語に関する既知の知識と実際の音声現象を照合させ再認するために、言語処理時間がより多く必要とされる場合に用いる、(2)繰り返し再生してもコミュニケーションの流れを阻害したり、情報を聞き逃したりする心配の無い場面で用いる、という結論を得て、論文を発表した。 2 ・前年度に着手したビデオ映像と日本語字幕を同期させて任意の部分を話速変換して聞き返すことのできるシステムを完成した。試行する中で昨年度のままの環境では設備環境が十分ではないことがわかったので、実試用に耐え、汎用性のある設備環境を示すことを第一目的とし、装置技術者と協力して、ビデオ信号のデジタル化などにより、より使いやすい環境作りを行なった。システムの特徴は次の通りである。 (1) パソコンで任意のビデオソフトに字幕をいれたオリジナル教材ソフトが作れる。 (2) パソコン画面でビデオの映像情報と文字情報をむすびつけてコントロールすることができる。 (3) 任意の個所を「ゆっくり」から「早口」まで話速を変えてリスニングの練習ができる。 (4) 字幕をパソコン画面に表示し、保存したり印刷したりすることができる。 3 ・映画「シコふんじゃった。」また、テレビニュースを使った教材を作成し、教室で試用した。 4 ・1と2のシステムおよび教材を平成10年11月に開かれた東京農工大学科学技術展に出展した。
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