研究概要 |
本研究は,実時間データベースシステムにおいて,トランザクションの時間的制限及びそのアクセスする実時間データ項目の整合性を考慮したトランザクションのスケジューリング方式の提案及び性能評価を行うことを目的とする。 本研究の実施にあたって、まず、これまでの研究成果の調査を行い、論文の収集、参考資料の収集を行った。トランザクションデッドライン(deadline)のみを考慮したスケジューリング方式を拡張し、トランザクションのアクケスする実時間データ項目の整合性(consistency)をも考慮するようにした。具体的には、実時間データベースシステムにおけるデータ項目の値が時間が経つにつれ、その値が無効になるため、データ項目の値が得られた時間とその有効期間を用いてデータ項目の絶対的整合性を表し、トランザクションデッドラインに加えて、データ項目値の有効期間を表す絶対的デッドラインをもそのトランザクションのデッドラインとする方式を考えた。さらに、トランザクションのアクセスするデータ項目の間において得られた値の時間差を表す相対的整合性を考慮に入れ、トランザクションを実行する前に、その整合性をチェックし、必要に応じて処理を遅らせデータ項目の更新を待つような方式を考えた。シミュレーションを用いてこれらの方式を実現し、従来の方式とを比較評価した。その結果、これらの方式は、トランザクションデッドラインミス率および整合性は従来の方式よりよい結果が得られた。 これまでの研究成果は関連国際学会に発表した。現在は,これまでに得られた成果の上にさらに研究成果を積み重ねるべく研究を進行中である。
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