自己反映的プログラミングとは、実行状態や自分自身の構成などを参照したり、ときには改変しながら処理を進めてゆくようなプログラムを許すプログラミングスタイルであり、プログラムのメタレベルの概念の記述がオブジェクトレベルで許されることが特徴である。さまざまな方向から自己反映的プログラミングは研究されているが、一般に、自己反映的な扱うことが可能である範囲と、それにともない起る病的現象とはトレードオフの関係にあることが知られている。研究代表者は、これまで環境や継続などに対して自己反映的な取り扱いを許した自己反映的計算体系を提唱し、その基礎理論を確立してきた。具体的には、自己反映的プログラミング言語のモデルとして、環境や継続をファーストクラスである対象、すなわち、整数やプール値などの通常のデータとして扱うことが可能である機能をラムダ計算に付加した計算系をあたえた。そして、その体系に関する基本的性質の解明に取り組んだ。
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