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1997 年度 実績報告書

多様な並行オブジェクトモデルをサポートする言語処理系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780243
研究機関東京大学

研究代表者

増原 英彦  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40280937)

キーワード自己反映計算(リフレクション) / 部分計算 / 並行オブジェクト / 最適化 / メタオブジェクト / ABCL / R3
研究概要

本研究では、多様な並行オブジェクトモデルのサポートする言語の構築を目標として、自己反映計算(リフレクション)に注目し、並列オブジェクト指向言語ABCL/R3のメタオブジェクトの設計と、その最適化の枠組についての研究を行った。
これまでにもいくつか自己反映的な並列オブジェクト指向言語が提案されているが、我々が本研究で提案したメタオブジェクトの特徴は、部分計算(partial evaluation)を用いた最適化を意識した設計になっている点である。
さらに、このようなメタオブジェクト定義を、部分計算によって解釈実行のオーバーヘッドをとりのぞくような最適化の枠組を示した。これは、メタオブジェクト定義を一度関数的な言語へ変換し、そこで部分計算を適用するものであり、既存の逐次言語の部分計算器を利用できるという利点がある。
試作システム上で実行速度を測定したところ、最適化によって4〜30倍の速度向上という結果が得られた。また、自己反映計算の機能に対するオーバーヘッドも1.4〜3倍に抑えられている。さらに、拡張された並行オブジェクトモデルの例として、「ガード付きメソッド機構」を提供するようなユーザ定義メタオブジェクトを記述した。これも部分計画による最適化で効率的に実行できることが示されている。
本研究の目標である多様な並行オブジェクトモデルのサポートに対して、(1)どのようなメタオブジェクトを提供すればよいか、(2)効率よく実行するための方法、の2点について方策を与えることに成功したと言える。今後、実際に種々の並行オブジェクトモデルの記述を行うことで、記述力や効率について検証を進めてゆく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Asai,Masuhara, Yonezawa: "Partial Evaluation of Call-by-Ualue lambda-calculus with Side-effects" Proc.of Partial Evaluation and Semantic-Based Program Manipulation. 12-21 (1997)

  • [文献書誌] 増原, 米澤: "Reasoningを容易にする並列自己反映言語のメタオブジェクトの設計" 日本ソフトウェア科学会全国大会第14回論文集(「コンピュータソフトウェア」誌掲載予定). 433-436 (1997)

  • [文献書誌] Masuhara, Yonezawa: "Reasoning-conscious Meta-object Design of a Reffective Concurrent Language" Proc.et Irtl Workshop on New Models for Softwere Architecture. 42-56 (1997)

  • [文献書誌] Masuhara, Yonezawa: "Design and Partial Evaluation of Meta-objects for a Concurrent Reflective Language" Proc.et European Conference on Object-Oriented Programming. (発表予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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