研究概要 |
本研究ではLispにおいて広く用いられているS式と呼ばれるデータ構造をすべての基本となるプログラミング環境の構築を目指している.その第一段階として,今年度は主として処理系の拡充,静的なプログラム変換の理論・実用両面における研究に取り組み,以下のような成果を得た. ・本研究ではLispの一方言であるUtiLispをベースとすることとし,そのインタプリタ・コンパイラを,代表的なPC Unix上で作動可能とするための拡充を行った. ・UtiLispをWindows95の上で動かすための問題点について検討した.現在は移植作業の進行中である. ・S式をベースとする清書系の仕様を検討し,S式表現を含む文書ソースから清書系TeXのソースに変換するシステムを設計した. S式指向のシステムをより効果的なものにするための静的なプログラム変換に関する研究により,蓄積的な引数を持つ関数,相互再帰定義を持つ関数に対するプログラム変換の手法,定理を示した.
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