本研究では、画像処理シミュレータを用いて、白黒画像のユークリッド距離マップを計算する効率良い並列アルゴリズムを開発した。ユークリッド距離マップとは、各白ピクセルから最も近い黒ピクセルまでのユークリッド距離を表す2次元の行列である。√<n>×√<n>の大きさの白黒画像が与えられたときに、n/loglogn台のプロセッサを用いて◯(loglogn)時間でユークリッド距離マップが求められることを示した。従来の並列アルゴリズムは、nloglogn/logn台のプロセッサを用いて、◯(logn/loglogn)時間でユークリッド距離マップを求めることができた。この並列アルゴリズムにくらべて、我々のアルゴリズムはより短い時間でユークリッド距離マップを求めることができる。また、従来のアルゴリズムは、距離のメトリクスがユークリッド距離に限られていたが、我々のアルゴリズムでは、さまざまな距離メトリクスに対して、距離マップが求めることができる。さらに、最大空円を求める並列アルゴリズムも示した。最大空円、内側の全ピクセルが白ピクセルである最大の円である。我々の並列アルゴリズムは、n/loglogn台のプロセッサを用いて◯(loglogn)時間で最大空円を求めることができる。
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