本年度は基礎手法の開発に重点をおいて研究を行い、特に、3次元ディジタル図形の構造記述を行う際に前処理として非常に重要であると考えられる、図形の線図形化/面図形化手法について検討を行った。研究を行った事柄について以下に示す。 (1)基礎手法の開発 画像処理の基礎的手法としての、 3次元ディジタル図形の線図形化/面図形化手法を複数開発し比較的簡単な形状の人工図形を用いてその基本的な能力を評価した。 代表者らは従来より、これらの手法について検討してきているが、使用目的により必要とされる構造情報は異なるため、単一の手法のみですべての目的に対応できるとは考えられず、性質の異なる複数の手法を開発・評価しておく必要がある。これにより、目的に沿った処理手法の選択が容易になると考えられる。また、位相幾何学的情報の抽出手法についても基礎的検討を行った。 (2)図形の構造の記述 得られた線図形/面図形や他の幾何学的特徴を基に、図形の構造を記述する手法の検討を行った。線図形については基本的にはグラフ表現などが有効であろうと考えられ、一部で実現されているが、面状の図形に対しては別の手法を考案する必要が生じる可能性もあり検討が必要である。
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