本研究では、談話タグを話し言葉コーパスに対して半自動に付与する方法の開発およびタグ付きコーパスの応用を目的とし、本年度は以下の成果を得た。 1. 自動タグ付けアルゴリズムの実装 「談話タグワーキンググループ」で標準化がすすめられている発話単位タグ(発話の持つ行為的な側面をとらえたもの)を、形態素解析の結果と、ムードに相当する文末表現のパターンとから自動的に推定するアルゴリズムを実装した。実装方法としては、GUIを用いて、談話タグの付与作業ができるツールjdat(Japanese Di-alogue Annotate Tool)の中で推定を指示すると、自動推定したタグを仮に付与した内部ファイルができあがるものである。 2. タグ付きコーバスの応用 タグ付きコーバスの応用例として、タグ付きコーパスから対話のやりとりパターンを抽出し、タスクにおけるやりとりの位置付け(対話の副目標)毎に分類してライブラリを作成した。同一の抽象タスクに対しては、このようなライブラリを用いた対話システムの設計が可能であることを、テレホンショッピング対話から作成したライブラリからモバイルバンキング対話を構成することによって示した。
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