研究概要 |
本研究では,ブラウジングの履歴より動的に変化するユーザの興味を推定する手法を明らかにし,大規模なハイパーテキスト構造におけるブラウジングを対象としてその有効性を検証する目的で,手法の定式化,推定された興味に基づく情報フィルタリング機能の実装,この情報フィルタリング機能の評価実験を行っている.これまでに,まず,内容を特徴づけるインデックスが各ノードに対して予め与えられているCD-ROM用語事典を対象として,そのインデックスを介して各ノードを結合することにより、稠密でかつ大規模なハイパーテキストを作成している.さらに、このハイパーテキスト上でのブラウジング中のユーザの興味を推定する手法として,ノードに含まれているインデックスに重みを与えて,さらに,時系列に従って減衰させる方法を採用している.さらに,そのインデックスの重みを用いて,次にブラウジングの対象となる候補の順位づけを行う機能を,この興味推定手法に基づく情報フィルタリング機能として実装している.現在,CD-ROM用語辞典より作成したハイパーテキスト(ノード数:18,892,二つ以上のノードに含まれるインデックスの種類:183,011,一つのインデックスに結びつけられるノード数:2〜2,270(平均7ノード))を対象とした評価実験を進めている.この評価実験の結果を踏まえて,さらに,最も大規模なハイパーテキスト構造といえるWWWへの本手法の適用を検討する予定である.
|