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1998 年度 実績報告書

人工生命による分子進化のモデル化と遺伝子情報の統合解析

研究課題

研究課題/領域番号 09780336
研究機関大阪大学

研究代表者

松田 秀雄  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50183950)

キーワード遺伝子配列解析 / 遺伝子分類 / 分子進化 / 生物情報科学 / 人工生命
研究概要

本年度は,人工生命による分子進化のモデル化と遺伝子情報の統合解析のため,以下のシステムの開発を行った.1. 配列類似度による遺伝子の分類システム
配列類似度により遺伝子を類似したクラスタに分類するシステムを開発した.本システムの特徴は,進化の過程で遺伝子配列に生じる変異の蓄積により,限定された類似性しか示さない遺伝子間でも,遺伝子相互の類似性を表したグラフを解析することにより,配列類似度に基づく遺伝子の分類が可能なことである.約4800個ある大腸菌の全遺伝子をこのシステムにより分類した結果,全体の約半数の遺伝子が何らかのクラスタに分類できている.2, 生物の遺伝子情報の収集・統合システム
既知の遺伝子に関する情報は,GenBank等のDNA塩基配列データベース,PIRやSWISS-PROT等のアミノ酸配列データベース,PDB等の立体構造データベースに分散して蓄積されている.そこで,これらの情報を,遺伝子ごとに統合し,多様な角度から比較・検討できるシステムを開発した.このシステムがら,人工生命の設計に必要な基礎的なデータを得ることができると考える.
3. 人工染色体上での遺伝子順序関係の変異解析システム
現実の生物を計算機上でモデリングした人工生命に染色体を持たせ,人工染色体上の変異を解析する手法を開発した.具体的には,人工染色体における逆位(inversion),転移(transposition)などの遺伝子順序の変異過程のモデルを構築し,染色体構造進化のシミュレーションを行うことによって,分子進化が人工生命に与える影響を解析した.さらに,その解析結果を実際の生物の遺伝子配列順序の変異と比較することによって,現実の進化過程に対する知見を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 粕川,中西,松田,橋本: "分散データベースシステムにおける効率的な実体化ビュー更新手続き" 電子情報通信学会論文誌. J81-DI・8. 1003-1013 (1998)

  • [文献書誌] H.Matsuda 他2名: "Classifying Molecular Sequences Using a Linkage Graph with Their Pairwise Similar-ities" Theoretical Computer Science. 210・2. 305-325 (1999)

  • [文献書誌] H.Matsuda 他3名: "Querying Molecular Biology Databases by Integration using Multiagents" IEICE Transactions on Information and Systems. E82-D・1. 199-207 (1999)

  • [文献書誌] H.Matsuda 他2名: "An Approximation Algorithm for Genome Rearrangements with Reversals and Trans-positions" IPSJ Transactions on Mathematical Modeling and Applications. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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