設計中の会話を録音したプロトコルデータのような議事録には、設計ノウハウやアイデアなどの設計知識が含まれており、それを構造化しユーザに読みやすく提供するような方法が望まれている。そこで本研究では、キーワードベクトル法を利用したシステムを提案し議事録からの議事の流れの明示化を目指した。具体的には、連続する文書をまず、まとまりのあるブロックしてして分割して、次にそのブロック間の関係をもとめるという方法をおこなった。 まず、ブロック化の手法としては、キーワードベクトルを用いた。隣接した文章断片間でキーワードベクトルの角度の余弦を計算することによって話題の区切り目を見つけ、その結果何らかの話題をもつ文章ブロックを得る。この方法による抽出されたブロックの約半分は人間の分割したブロックと類似していた。さらに(1)人手によるキーワードの抽出(約500語)、(2)そのオントロジー化(抽象概念の付加とそれによるキーワードの縮約)、(3)統計的方法によるキーワード設定の3つのキーワード設定法を3種類を比較した。(2)は(1)でとりずらかった部分のブロック化をすることができた。 また、得られた文章ブロック間でキーワードベクトルの角度の余弦を計算することによって関係を発見し、構造化を実現いた。その結果、本手法によって議事録の中に設計過程を読みとることができた。
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