本研究は、ネットワーク上のマルチメディア技術を"実験教育"に応用し、インタラクティブな実験教育環境を構築することを目的とし、リモートで実験装置を操作して、その結果を得る事が出来る教育用システムの作成を目指している。実際のシステムは、インターネットを通して、http://expl.phys.human.nagoya-u.ac.jp/exp1/で体験でき、システムの詳細についての解説や参考URL等へのリンクを得ることができる。 現在までに、以下のような特長を持つ、β線の測定システムを試作した。 1.実験者は、WWWブラウザないしJavaアプリケーションを用いて、リモートでβ線の一定時間あたりの計数測定を、測定回数を指定してリアルタイムで行うことができる。 2.実験者は、WWWブラウザを通して、現在の実験装置の様子を画像で見ることができる。 3.測定が終了すると、測定結果を生のデータとβ線の一定時間あたりの計数値の分布がグラフで表示される。 4.実験結果の数値の分布グラフに重ねて、ポアソン分布を仮定した場合の計算値が表示され比較できる。 5.サーバとして、インターネットに接続されたDOS/VタイプのPCを使用し、GPIBを通して実験装置に接続している。OSとしてはLinuxを用い、ApacheでWWWサーバを構築している。 6.サーバプログラムにおいては、Java言語、JavaのNative MethodのCの関数、GPIBライブラリ(The Linux GPIB Package)をリンクすることで、Java言語から直接GPIBに接続された実験装置を制御できる。 7.クライアントプログラムはJava言語で記述され、WWWブラウザ上からアプレットとして起動されTCP/IPによってサーバと通信を行う。また、独立したJavaアプリケーションとしても使用できる。
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