教育分野におけるインターネットやマルチメディアの利用はまだその緒についたばかりであり、計画される実験はTV会議システムなどを利用した遠隔授業やCD-ROMなどを用いてマルチメディア情報を扱う程度である。これらは最新の情報機器を利用するものではあるが学習者にとっては与えられた教材を受動的に受け取る従来型の教育と何等変わりはない。本研究ではインターネットに代表される情報基盤にCGやVR(バーチャル・リアリティ)などの個別技術を融合させることにより、新たな遠隔教育のための基本システムを開発した。 1.インターネット情報統合技術とCG映像化技術の融合のためのソフトウェア開発 本研究の第1段階として、インターネット上に存在するさまぎまな形態のマルチメディア情報を統合整理し、学習目的に最適な3次元CGを生成するためのソフトウェア開発をグラフィック・ワークステーション(GWS)上で行った。 2.3次元CGによる仮想環境を対話的に体験するのためのVRソフトウェア開発 VRMLなどで記述される3次元CG映像をVR用インターフェース装置であるデータグローブなどにより対話的に操作し、科学現象を体感的に理解するための基礎的な実験を行った。この際、一部の実験では力感覚フィードバック装置を利用し、触覚を含めた仮想環境下での操作機能の開発を行った。
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