教育分野におけるインターネットやマルチメディアの利用はまだその緒についたばかりであり、計画される実験はTV会議システムなどを利用した遠隔授業や、CD-ROMなどを用いてマルチメディア情報を扱う程度である。これらは最新の情報機器を利用するものではあるが、学習者にとっては与えられた教材を受動的に受け取る従来型の教育と何等変わりはない。本研究は、インターネットに代表される情報基盤にCGやVR(バーチャル・リアリティ)などの個別技術を融合させることにより、新たな造型のための遠隔教育システムを具現することを目的に研究を進めた。 具体的な研究実績を以下にまとめる。なお各項目の研究については各々論文にまとめられている。 1. 3次元仮想空間における仮想手による物体操作モデルの開発 2. 仮想空間における両手による協調操作モデル 3. 仮想空間における仮想手による道具操作のための知識とモデル 4. 仮想空間でのハサミによる切断操作のモデルと実現 上記1〜3の研究によって、仮想環境における物体操作の基本機能の検討および開発を行った。4では、ハサミという日常的な道具を仮想空間で利用するための基本機能の開発を行った。これらの研究によりインターネット上での教育におけるVR技術の有効な利用可能性を示すことができた。
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