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1997 年度 実績報告書

津波の遡上に伴う土砂堆積の実験-歴史津波の規模推定のための指標を求める-

研究課題

研究課題/領域番号 09780418
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 智幸  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40261599)

キーワード津波 / 土砂移動 / 掃流砂 / 浮遊砂 / 巻き上げ砂 / 浮遊砂濃度分布 / 非定常性 / 海底変動
研究概要

津波を想定した大きな外力を発生させた水理実験を実施した。実験水路の終端には掃流砂用トラップを設け、掃流形態で運搬される砂量と浮遊形態で運搬される砂量を独立に測定した。また、砂床区間の上流部に設置したレーザー流速計を用いて流速の鉛直分布を測定し、精密な掃流力の算定を行った。以上の実験より、津波来襲時の掃流砂量式および浮遊層への巻き上げ砂量式を求めた。
実験結果を基に、津波による土砂移動モデルを理論的に導いた。モデルは掃流層と浮遊層から構成され、実験より与えられる両層の交換砂量を新たに導入した。局所フラックスおよび浮遊砂濃度分布の平衡を仮定した従来のモデルでは、大量の土砂が移動し、非定常性の強い津波による海底変動を説明できなかったが、提案モデルでは再現性が向上している。
実際の津波による土砂堆積を調べるために、1854年安政東海地震津波による伊豆半島入間、1992年フローレス島地震津波によるバビ島、歴史津波によるエ-ゲ海周辺での津波の挙動と土砂移動を解析した。入間では、70万m^3以上の海砂が陸上へ堆積していることが判明した。入間での津波打ち上げ高は周辺に比べて著しく高く、これが原因の一つと考えられる。バビ島では、津波堆積物の解析より、南北からの津波来襲が推定された。この来襲状況は、住民の証言および数値計算の結果とも一致している。エ-ゲ海周辺においては、1489年の地震津波によると思われる砂層を確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 今村文彦・箕浦幸治・高橋智幸・首藤伸夫: "エ-ゲ海における歴史津波堆積物に関する現地調査" 海岸工学論文集. 44. 321-325 (1997)

  • [文献書誌] 浅井大輔・今村文彦・首藤伸夫・高橋智幸: "伊豆半島における安政東海地震津波の数値解析" 東北支部技術研究発表会講演概要. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] Minoura,K., F. Imamura, T. Takahashi and N. Shuto: "Sequence of sedimentation processes caused by the 1992 Flores tsunami : Evidence from Babi Island" Geology. Vol. 25 No. 6. 523-526 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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