今年度は2年計画の第1年目として、電子サイクロトロン加熱時のプラズマ中心部での密度減少(密度クランピング)が顕著となるターゲットプラズマを見い出し、これにあわせて計測器の改良を行った。 (1)リミターでの安全係数q_aが5-7で、密度が1×10^<13>cm^<-3>程度であるオーミック加熱プラズマに対して電子サイクロトロン加熱を行ったところ顕著な密度クランピングが観測された。またこのプラズマではMHD不安定性が現われず、本研究のターゲットプラズマとして最適である。 (2)軟X線CTシステムの改良を行った。具体的には、 i)データ記録装置としてサンプリング周波数1MHzのウェーブフォームデジタイザを開発した。従来のシステムと比べて5倍の時間分解能が得られた。 ii)軟X線カメラの増幅器利得の最適化を行った結果、上記ターゲットプラズマにおいてS/N比が改善された。 (3)電子サイクロトロン放射計測器(ECE)の感度較正を行い、上記ターゲットプラズマにおいて温度プロファイルを測定した。 (4)干渉計により測定した密度および電子サイクロトロン放射計測により測定した温度の時間発展と軟X線信号の時間発展を比較した。この結果、電子サイクロトロン加熱時のプラズマ中心部の軟X線信号強度の減少は密度クランピングの影響によるものであることが明らかになった。現在、軟X線強度と密度の関係について詳細に調べている。
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