今年度は2年計画の第2年目として、電子サイクロトロン加熱時のプラズマ中心部での密度減少(密度クランピング)がミリ波入射直後に加熱位置で局所的に起こり、その後トロイダル方向に伝播するものかどうかを調べるため、軟X線コンピュータ断層再生(軟X線CT)システムの増設および実験データの収集・解析を行った。 (1) 軟X線CTシステムの増設 軟X線カメラ5台(全信号数100)からなる軟X線CTシステム一系統をWT-3トカマクに増設した。ミリ波入射部のトロイダル位置を0゚とすると、-22.5゚と90゚の2ヵ所において軟X線CTができるようになった。新システムにおいても作年度作成した増幅器、ウェーブデジタイザと同様なものを採用した。2つのCTシステムがほぼ同じ性能を持つことを実験的に確認した。 (2) 実験データの収集・解析 WT-3トカマクのオーミック加熱プラズマに電子サイクロトロン加熱および電子サイクロトロン電流駆動を施し、そのときの密度クランピングの時間発展を干渉計(一系統)、軟X線CTシステム(二系統)等を使用し測定した。現在干渉計で測定した密度とECEラジオメータで測定した温度を比較し、X線発光強度と密度の関係を調べるとともに、密度クランピングがトロイダル方向に伝播するものかどうかという観点からデータ解析を行っている。
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