研究概要 |
本研究の目的は短パルス超高強度レーザーとプラズマの相互作用による高密度高エネルギーイオンの生成とそれによるビーム様核融合反応について実験的に調べることである。平成9年度においては、高強度レーザーと重水素置換プラスチックターゲットを使用して重水素-重水素のビーム様核融合反応中性子を観測した。平成10年度はレーザー条件を変化させたり、解析コードを開発することにより、超高強度レーザーによるイオン加速の機構を調べた。 大阪大学レーザー核融合研究センター既存の1TW/100pSのレーザー光を重水素置換プラズマに強度2×10^<17>W/cm^2で照射したところ、レーザーは自己集束し強いポンドラモーテイブ力によりイオンが加速されビーム様核融合反応による中性子を観測した。また30-100TW/0.5psのガラスレーザーを照射強度10^<18>-10^<19>W/cm^2の強度で重水素置換プラスチックターゲットに照射したところ発生数10^6個程度のビーム様核融合反応中性子を確認した。レーザーの偏光に対する照射条件を変えることにより、レーザー吸収機構の違い(JXB,vacuum heating)によるイオン加速の違いを反映した中性子スペクトルを観測した。さらに3次元モンテカルロ解析シミュレーションコードを開発し、イオンの加速方向の評価を行った。
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