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1997 年度 実績報告書

電磁流体力学的カタストロフの理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780438
研究機関広島大学

研究代表者

草野 完也  広島大学, 理学部, 助教授 (70183796)

キーワードプラズマ / 電磁流体力学 / カタストロフ / 太陽フレア / 不安定性 / 非線形
研究概要

高温プラズマではしばしば、磁気エネルギーが熱および運動エネルギーに突発的に変換される現象が観測される。本研究ではこうした電磁流体力学的カタストロフ過程の物理を、最小エネルギー原理と数値シミュレーションに基づいて研究した。特に、本年度は太陽フレアを対象としたシミュレーション研究を中心に研究を進めた。まず、階層的な構造を取り扱うことの出来る多層格子型数値シミュレーションコードを開発し、太陽コロナ磁気ループの不安定性を詳しく解析した。その結果、以下に示されるような様々な結果を得た:
(1)磁気ループ不安定性の線形成長時間は磁気レイノルズ数の平方根によってスケールされる。
(2)不安定性が非線形段階に近づくと、アルフベン時間の10倍程度の時間でループの中央に電流シートが形成され、磁気再結合が開始される。
(3)電流シートの長さと幅の比は磁気レイノルズ数の平方根程度まで増加し、磁気レイノルズ数が10,000以上のとき、電流シートは不安定となってフィラメントを形成する。
(4)フィラメントはアルフベン時間程度で形成された後、同程度の時間で再結合で発生したプラズマジェットによって排除される。この過程は再結合が終了するまで何度も反復される。
以上の結論は、磁気ループ不安定性がその非線形効果によって、より小さな空間構造をより短い時間スケールに再生産する性質を持つ事を意味する。その結果として、不安定性のダイナミクスは線形から非線形段階へ移行する際に、爆発的に成長する。実際、シミュレーションにおいて運動エネルギーが時間の指数関数より早く成長することが確認された。すなわち、電磁流体力学的カタストロフの本質が、不安定性の逐次的駆動であることが明らかにされた。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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