研究概要 |
1970年代初頭,初めてプラズマが広くデバイス製造に使われて以来,プラズマを用いたデポジション及びエッチング技術は,電子デバイス製造に応用されることで急速に発展してきた。現在,装置としては,電子サイクロトロン共鳴放電,ヘリコン波放電,誘導結合(ICP)放電が挙げられる。本研究では,ICP放電プラズマ中での電子ついて計測をおこなった。計測法としては,レーザートムソン散乱法を用いて,電子温度、密度、速度分布関数を測定した。この方法は申請者のグループで初めてプロセス用プラズマ研究に適用できるように開発したもので,電子温度と密度の絶対測定が可能であり,信頼度の高い電子エネルギー分布関数測定ができる。 この目的に対して、本年度は以下の成果を得た。 (1) レーザートムソン散乱法を用いてICPプラズマ中の電子密度、温度及び電子エネルギー分布関数を測定した。得られた結果を,様々な放電モデルによるシミュレーションの結果と比較検討により,電子の加熱メカニズムの理解を図た(J.Appl.Phys.,1998年2月)。 (2) 反応性プラズマ用のレーザートムソン散乱システムを確立した。この計測装置は低エネルギーレーザーとマルチパスセルを用いて、電子密度が10^<17>m^<-3>程度アルゴンを動作気体プラズマに応用できた(Europhysics Conf.Abstracts,Vol.22H,1998年8月)。
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