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1997 年度 実績報告書

自己維持プラズマ乱流における階層モデルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 09780441
研究機関九州大学

研究代表者

矢木 雅敏  九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70274537)

キーワードプラズマ乱流 / カオス / ローレンツモデル / シェルモデル / レーリー数 / リアプノフ数 / 間欠性 / リミットサイクル
研究概要

プラズマ乱流を解明するためシミュレーション研究を通じて「不安定性-カスケード-微視的散逸の共存する系の解明」という問題提起を行い、「平均だけでなく、最大最小、間欠性、カスケードなどの詳細な解明と普遍化」また「不安定性の慣性領域の解明」を研究目標とした。このため(1)少数自由度モデル(2)非線形効果を代表波数モードに制限したシェルモデル(3)直接数値計算モデルの3コード体系をもって構成し、カオス次元や慣性領域といった量を評価し、同時に不安定性、乱流レベルを詳細に求めることにより非線型不安定性、普遍性の双方から研究を進めていくことにした。本年度はモデル(1)、(2)の定式化及びコード開発を行った。モデル(1)に関しては3成分ローレンツモデルを拡張し、シャー流の効果を考慮した5成分系へ拡張した。これら2つのモデルをリアプノフ解析により比較した結果、3成分系ではレーリー数がある値より大きい領域ではリミットサイクルしか現れないのに対し、5成分系ではカオス、間欠性領域が出現した。しかしさらにレーリー数が大きなところでは5成分系でもリミットサイクルしか現れなくなることが明らかになった。この研究により少数自由度モデルが乱流を記述できなくなるレーリー数のしきい値を定量的に評価することができた。この結果は論文として発表した。
モデル(2)に関しては従来のシェルモデルを交換型不安定性が存在する系へと拡張した。Bulirsh-Stoer法を用いた数値積分コードを開発し、エネルギーの平均値、分散、スペクトル、最大リアプノフ指数等を指標にして積分精度を変化させてコードの有用性をチェックした。その結果、カオスを内在するシェルモデルにおいては積分精度をある程度以上あげてもカオス的性質のため有意な差は観測できないこと、また平均値がサンプル数にさほど依存しないことが明らかになった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 矢 木 雅 敏: "Current Diffusive Ballooning Mode in a Tokamak with a Noncircular Cross Section" Journal of The Physical Society of Japan. 66,2. 379-384 (1997)

  • [文献書誌] 登 田 慎一郎: "A Theoretical model of H-mode transition triggered by condensed neutrals near X-point" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,2. 301-312 (1997)

  • [文献書誌] 矢 木 雅 敏: "On the chaotic nature of turbulence observed in benchmark analysis of nonlinear plasma simulation" CHAOS. 7,1. 198-203 (1997)

  • [文献書誌] 伊 藤 公 孝: "Turbulent transport and structural transition in confined plasmas" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,5A. A311-A322 (1997)

  • [文献書誌] 久保田 哲 行: "1D simulation of sawtooth crash based on transport bifurcation" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,9. 1397-1407 (1997)

  • [文献書誌] 青 柳 隆 史: "Comparison Analysis of Lorenz Model and Five Components Model" Journal of The Physical Society of Japan. 66,9. 2689-2701 (1997)

  • [文献書誌] 伊 藤 公 孝: "Current diffusive interchange mode turbulence at low magnetic shear" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,9. 1561-1570 (1997)

  • [文献書誌] 立 石 権 太: "The effect of He-ash poisoning on L-mode and high βp-mode operations in ITER-like plasma" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,11. 1871-1885 (1997)

  • [文献書誌] 矢 木 雅 敏: "Nonlinear simulation of electromagnetic current diffusive interchange mode turbulence" Plasma Phys.Control.Fusion. 39,11. 1887-1914 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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