表題のガンマカメラの開発の第1段階として、BGO検出器を機械的なコリメーターとして使うことの可否について検討した。BGO検出器は原子番号が高いために、ガンマ線に対するコリメーターとして動作する一方で、その形状を細長くして、その両端よりシンチレーション光を読み出すことにより、ガンマ線の反応位置を検出できる可能性がある。そこで、まずコンピューターシミュレーションによるガンマ線の輪送計算を行い、BCO検出器のコリメーターとしての性能を予備的に検討した。その際、BGO検出器の形状、ガンマ線源の形状、ガンマ線のエネルギーなどをパラメーターとして検討を行った。現在までの結果によれば、極端に高いエネルギーでなければ、BGO検出器は十分にコリメーターとしての機能を果たすことが期待される。 次にBGO結晶を購入し、その位置検出器としての機能の検証を試みた。まず、位置検出を行うために、BGO結晶の両端において光電子増倍管を光ファイバーやライトガイドを用いて光学的にカップリングさせ、結晶の両端より放出されるシンチレーション光の光量を測定できるような実験装置の整備を行った。この位置検出法として、シンチレーション光の結晶中での減衰を用いる方法、飛行時間法を用いる方法、光量差を用いる方法などを順次検討している。またそれぞれの位置検出法について本検出器の位置分解能の評価を行うとともに、ガンマ線の検出効率、あるいはコリメーターとしての性能の実験的評価も行っているところである。
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