平成9年度において、表題のガンマカメラの開発の第1段階として、BGO検出器を機械的なコリメーターとして使うことの可否について検討し、良好な結果が得られたので、平成10年度はコリメーターの下段に設置するガンマ線2次元イメージング装置の検討を行った。今回の研究では、このイメージング装置の素子としてイメージングプレートを使用することを検討した。ただし、イメージングプレートの基本的な使用法は、いわゆる積分方式によるものであり、一定時間放射線に暴露したのちのその吸収線量分布を読み出すものであるため、本研究課題の目的にはそぐわない。そこで、イメージングプレートからの発光信号を短時間の暴露で読み出せるよう、光ファイバーを用いた読み出し装置を試作し、検討を行った。 本読みだし法は、He-Neレーザー照射用の光ファイバーと、レーザー照射後に放出される輝尽性発光を光電子増倍管に導くための光ファイバーを平行に束ねて、レーザー照射と読み出しを同じに、かつ効率よく行えることが特徴である。この読み出し方式を用いて、実際に読み出し試験を行ったところ、良好な結果が得られた。これにより、従来の市販の読み出し装置を使うことなく、イメージングプレートを用いた2次元撮像を準リアルタイムで行える可能性を得た。 また、本手法を用いて、極小のイメージングプレートをプローブとして、狭隘空間の放射線束分布を短時間で得る方法も同時に考案した。臨界集合体を用いて動作試験を行い、短時間でガンマ線の分布が得られることを実証した。
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