最近NAGDIS-1における実験研究において、高熱流プラズマ照射によるタングステン表面の変質及び再堆積に対する興味深いイオン種の依存性が得られた。また、高熱流プラズマ照射したタングステン材料表面の光学的反射率が著しく小さくなる結果が得られた。本研究では、高熱流プラズマ照射によるタングステン材料表面特性変化に関する基礎研究成果を報告する。 NAGDIS-1におけるタングステン板へのプラズマ照射実験では、高熱流ヘリウムプラズマ照射のために変質しタングステン表面の微細構造がはっきり現れている。この砂丘のような起伏は、ヘリウムプラズマ照射後のタングステン表面に現れる直径0.5〜4umの多くの穴を示していまる。一方、水素プラズマで照射されたタングステンの表面は、ヘリウムの場合と全く異なることがわかる。タングステン板の表面には全く穴状の起伏が見あたらず、大きな結晶粒塊がみられる。 また、ヘリウムプラズマを照射したタングステン表面中心部分が白くなっいる。照射領域の周辺に黒い部分が形成された。この黒い部分はタングステンの再堆積層が形成されたと考えられる。特性X線解析ではW以外の元素は見い出されていない。照射したタングステン表面光学的絶対反射率を分光光度計(V-550型)により計測した。黒い部分の反射率は極めて小さく1%程度以下である。白い部分の反射率も著しく小さくなる。ヘリウムプラズマを照射したタングステン表面の光学的反射率が著しく小さくなることが分かった。これは、タングステン表面の微細構造に対応していると考えられる。 高熱流束プラズマ下での熱電子放出高温材料表面での高温輝点形成に関す写研究結果をJoumal ofNuclear Material (1999)に発表する予定がである。
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