直線型ダイバータプラズマ模擬試験装置NAGDIS-IIを用いて、非接触プラズマ中のプラズマ再結合過程について調べた。 (1)ヘリウムガスを用いた非接触プラズマにおいて、放射及び3体再結合過程に伴う高い励起準位からの発光スペクトルが観測された。またそのスペクトル線の強度比の解析により、n=6以上の励起準位は局所部分熱平衡状態(PLTE)にあることが示され、その解析によって非接触プラズマ中の電子温度が0.5eV以下であることが示された。また非接触プラズマ中では、ラングミュアプラズマ計測により得られる電子温度が分光的に得られる電子温度より非常に高い値を示すことを実験的に観測し、それが非接触プラズマの沿磁力線方向の構造性に起因していることを明らかにした。 (2)ヘリウムプラズマに水素ガスを導入することにより、励起状態の水素分子に関連した分子活性再結合過程(Molecular Activated Recombination)が実験的に初めて観測された。また、その中性ヘリウムのバルマ-線の強度比を衝突輻射モデル(CRAMD Code)を用いて解析し、その強度比が分子活性再結合過程を考慮することによってのみ説明できることを示した。 (3)放電電流を変調することによって、プラズマをパルス化し、非接触プラズマ動的応答(ヘリウムのバルマ-線、イオン飽和電流)を観測した。
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