研究概要 |
本年度の実績は、次の2つに大別できる. 1)地(洋)上観測とデータ解析. 2)みどり衛星データを用いたシステム構築および解析. 1)の地(洋)上観測は、陸(近畿大学上空)海域(瀬戸内海上空)だけでなく,インドネシア森林火災による影響(シンガポール),及び高山(ハワイ・マウナケア山)において,偏光及び光学的厚さの測定を行った.特にマウナケア山で行ったラングレープロット法による観測より,機器校正常数を得て,過去に取得したデータに対しても,精度の高いエアロゾルの光学的厚さを求めることができた.一方,テ-タ解析において,短波長領域での多重散乱光による影響を正しく評価するだけでなく,不均質なエアロゾル粒子に対するため,Maxwell-Garnett理論を取り入れ,解析システムの拡張を行った.なお,ADEOS衛星同期検証観測については,平成9年6月30日に衛星の太陽電池パドル破損により衛星運用が中断されたため,行うことができなかった. 2)1)の解析システムを応用し,みどり衛星搭載の偏光センター(POLDER)データ処理用のシステムを作成した.特に,衛星搭載の初の偏光センサーから得られる情報は多く,特に大気粒子の光学特性に焦点を当て,エアロゾルの光学的厚さ,粒径分布パラメター分布図を作成した.
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