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1997 年度 実績報告書

カチオン-パイ相互作用に基づくカリウム選択的ペプタイボールイオンチャンネルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 09780529
研究機関佐賀大学

研究代表者

兒玉 浩明  佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80205418)

キーワードアラメチシン / Aib / CDスペクトル / 高次構造 / イオンチャンネル / 疎水相互作用 / 固相ペプチド合成
研究概要

高いイオン選択制を持つイオンチャンネルペプチドの開発をめざし、カリウムチャンネルタンパク質のイオン選択機構の1つと考えられている、カチオン-パイ相互作用に基づくカリウム選択的ペプタイボールイオンチャンネルの構築を行った。まず、イオンチャンネルのカリウム選択制の相関を明らかにする目的で、申請者らの合成したモデルペプチド、Ac-(Aib-Lys-Aib-Ala)_n-NH_2(BKBA-n,n=1-5)のリジン残基を、Glu,Gln,Ser,Gly,Trpで置換したアナログをデザインした。
合成は、Fmoc基を用いた固相法で行った。各アナログとも、高純度・高収量で目的物を与えた。アナログの構造は、飛行時間型質量分析機とアミノ酸分析で確認した。
各アナログの二次構造を、緩衝液、TFE、リポソーム存在下でCDスペクトルで評価したところ、導入したアミノ酸残基の持つ疎水性と導入位置が、ペプチドの二次構造と相関することがわかった。この結果から、ヘリックス誘導能の高いAib残基の導入だけでは、ペプチドの高次構造は規定できず、ペプチドの両親媒性とそれによるペプチド-ペプチド会合の形成がヘリックス構造誘導に重要であることが示された。
イオンチヤシネル能は、パッチクランプ法イオンチャンネル評価装置により検討した。予備的な実験から、カチオン性Lysとアニオン性Gluを持つアナログのイオン通過は逆転し、それぞれカリウムイオンと塩化物イオンを明確に識別し、それらの輸送を選択して行っていることが示された。また、Lysを含むアナログは、1種類のイオン通過ポアを形成したが、Gluアナログは4種類の通過ポアが観察された。これらの結果、イオンチャンネルペプチドを構成する極性アミノ酸は、チャンネルのイオン選択制に重要な役割をすることが判明した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] H.Sakamoto: "Chemical Synthesis of Phosphorylated Peptides of the Carboxy-Terminal Domain of Human p53 by a Segment Condensation Method" Peptide Chemistry 1996. 1996. 85-88 (1997)

  • [文献書誌] H.Kodama: "Activation of Human Neutrophils by fMLP Analogs Containing 2,3-Cyclopropane Amino Acid" Peptide Chemistry 1996. 1996. 221-224 (1997)

  • [文献書誌] Y.Higashimoto: "Solid-phase Synthesis and Chain-length Decpendence of the Secondary Structure of alpha-Helical Model Peptides Containing Aib Residues" Peptide Chemistry 1996. 1996. 253-256 (1997)

  • [文献書誌] H.Kodama: "Synthesis and Structure of a-Helical Model Aib-Peptides" Innovation and Perspectives in Solid Phase Synthesis and Combinatorial Libraries. 1997(in press). (1998)

  • [文献書誌] H.Kodama: "Receptor specificity of [2,3-cyclopropane amino acids]-fMLP analogs" Peptides. 1997(in press). (1998)

  • [文献書誌] H.Kodama: "Effect of environment on the stability of helical Aib-model peptides" Peptide Chemistry 1997. 1997(in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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